今回は、母の葬儀が終わり、忙しい日々のなかでの自分の気づきについてお伝えしたいと思います。
死後の手続きをするなかでふつふつとわいてきた憤りやいらだち
長年にわたって介護してきた母が亡くなり、さまざまな手続きに追われることになりました。想像以上に煩雑なことが多く、長らくの介護疲れに加えてさらに追い打ちをかけるように精神的にも疲弊していきました。
精神状態が不安定なためでしょうか、些細なことでも地味に傷ついている自分がいました。もともとHSP気味なところもあり、過敏に反応しやすく、他人の言動に傷つきやすかったせいでもあります。
役所での手続きなどは決まり決まったやりとりであり特に問題はなかったのですが、事業者さんにかかわる事後処理や地域のことなど、違和感を覚えることが多かったのです。
たとえば、訃報連絡や故人に関する送付状なのに「吉日」と記されていたり、母が他界したことをすでに連絡済みの事業者さんから明るい声で「お世話になっておりました~」と留守電に録音されていたり(さっそく過去形なんかいっ(# ゚Д゚)と突っ込みましたよ)。事情を知っているはずの相手から電話口でいつも通り元気よく「お世話になっております」と挨拶されるだけでも、けっこう地味につらくなりました。
ずっと母がお世話になっていたある事業者さんから、紋切り型の「このたびはご愁傷様でした。お悔やみ申し上げます」との言葉しかなかったのも悲しかった……。
なんてことのないやりとりではあったのですが……。
怒りの裏に隠された悲しみや寂しさ
もちろん、わかっています。事業者さんたちはとにかく人手不足でお忙しい。それに、なかには丁寧にお悔やみを伝えて下さった方もいましたから、十把ひとからげにしてはいけない。
それでも内心イラついたり腹が立ったりする自分がいました。ぞんざいな対応に(少なくとも私にはそう感じられたのです……)ひとこと言い返したくなってしまいました。
でも、しばらくしてから、ようやく気づきました。怒りやいら立ちは表面的なことで、私は心の奥深くでは悲しくてならず、深く傷ついていたのだと。相手の言動がきっかけとはいえ、私には母の死が相当こたえていた、悲しかった、つらかった。それだけのことだったのでしょう。
本音を言えば、「大変だったね」「つらいよね、悲しいよね、寂しいよね」「泣いていいんだよ」と誰かから声をかけてほしかっただけ。そのことにあとで気づきました。長年の友人からそんな言葉をかけてもらったとき、はからずも号泣してしまいました(笑)。
ただ誰かに寄り添ってほしかったのでしょうね。
でも、そんなに都合よくこちらの気持ちを察してくれる人はいない。人はそれぞれ感じ方も考え方も大きく違うのだから、相手に期待してもダメですよね。
だからこそ、怒りや腹立ちの感情がわきおこったときには、自分の本心に気づくことが大事なのでしょう。私の場合は、怒ってはいたけれど、本心では悲しかった。
周囲の人間に微妙な感情を理解してもらうのは、いやはや、なんとも難しい。
還暦を過ぎてもまだまだ精神的に揺れ動きますが、これが私なのだから仕方がありません。これからもっと強くなるぞと自分に言い聞かせています。
怒りなどの負の感情がわきおこったとき、怒りの陰に隠れた自分の本当の感情や気持ちにじっくり目を向けてみよう。実は怒りなどの激しい感情ではなく、悲しみや落胆などの別の、やるせない、せつない感情が隠されているのかもしれない。
自分の本当の感情に気づいて、自分にねぎらいの言葉をかけよう
というわけで、結論は、とにかく自分で自分をいたわってあげよう、自分自身にねぎらいの言葉をかけよう、ということ。
自分の本当の気持ちを理解するのはけっこう難しいけれど、なんだかしんどい、いらつく、もやもやする、といったネガティブな感情が芽生えていること自体は少なくとも感じられるはず。そんな兆候があれば、自分に優しくする、自分を甘やかす、ゆっくり休ませてやる、といった対策をすぐに取る。
くれぐれも自分自身を責めたりせず、「あなたはよくやっている、精いっぱい努力した」「至らぬ点はあったとしても全力で取り組んだ」と自分を褒めて、励ましてあげましょう。
言葉の力ってすごいと思います。自分を責めたらどんどんつらくなるけれど、「よくがんばったね」と声をかけるだけで、心が癒やされ、がんばる気力もわいてきます。
どのみち完璧なんてありえない。自分なりにやれることをやるしかないのですから。
今回のちょっとしたエピソードが、私と同じようにつらい思いをしている方にとって少しでも役に立てばうれしいです。
怒りやいらだちの陰に悲しみなどの別の感情があるなら、そんな自分をいたわり、慰めることが大切。自分をねぎらい、励ましの言葉をかけてあげよう。
他人を気づかうことも大事だけど、なによりも大切なのは自分自身。まずは自分を大切にしたいよね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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