仕事や用事などで、気づけば本来の目的を見失っていたり、目的からはずれておかしな方向に走ってしまったりしていませんか?
私は大局的に物事をとらえるのが苦手です。つい目先の些事にとらわれ、そもそも最優先すべきこと、一番大事なことを忘れてしまいがちです。
本来の目的や自分にとって本当に大事なことをつねに意識しておかないと、人生が悪い方向に空回りしてしまいます。
今回はそんな気づきを、以前にもご紹介した、元マイクロソフトの伝説のプログラマー中島聡さんの『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』に記載のビル・ゲイツにまつわるエピソードもまじえて、お話ししたいと思います。
一番大事なことは“時間通りに”じゃなくて“無事に”送りだすこと
いきなり母の介護エピソードで恐縮ですが、私の母は週に3回デイサービスに通っており、送迎をしてもらっています。
たいてい10分前くらいに到着時間を知らせる電話があり、そのあいだに母が玄関まで行き、靴を履いてスタンバイするわけです。しかしながら、体に麻痺がある母は杖をついてもうまく歩けないので、けっこう時間がかかります。またその日の体調などにより移動に時間がかかることもあります。
なるべく早めに用意をしてもらおうとしても思うようになりません。そして送迎の時間が近づくと私は焦ってくるのです。このままでは遅刻する、送迎のスタッフを待たせてしまう……と気をもんでしまう。
介護者の焦りは要介護者のケガにつながりかねません。母をリハビリに送りだすのは、母の生活の質を維持するためでもあるというのに、私の焦りから転倒につながれば、本末転倒ですよね。
本来の目的を見失っている。遅刻でスタッフに迷惑をかける心配は無用。なによりも無事にリハビリに送りだすことが大切。
デイサービスの職員の方々はきちんと心得たもので、母の用意が遅れていてもじっと待ってくださいます。絶対にイライラしたりしません。遅れそうになっても焦らずにしっかり対応してくれます。
母が遅れたら、他の利用者やスタッフに迷惑をかけてしまうかもしれません。でも、そこは申し訳ないけれど仕方のないことだと割り切り、母の安全を優先するほうがよいと学びました。
ビル・ゲイツにまつわるエピソード「花さえ用意できれば、裏で昼寝してもいい」
さて、『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』より、私がガーンとなった一節をご紹介します。
この書籍は、スタートダッシュを重視する「ロケットスタート時間術」について解説した本です。
著者の中島さんによれば、ビル・ゲイツは待ち合わせや締め切りに遅れた人がする言い訳をこの世で一番嫌っていたそうです。
たとえば、あるパーティーでビル・ゲイツから花を用意してほしいと頼まれた場合、あなたは花束を届けるように電話で花屋に注文しておく。だが、当日、雪のせいで配達が遅れると連絡が入る。あなたは花が遅れるとビル・ゲイツに伝える。そんなとき彼は尋常じゃないほど怒るのだと。それだけ締め切りまでに仕事を終えることを重視していると。
そして、あなたの任務はパーティーに花を用意することで、花屋に注文することではない。注文することなら誰にでもできるのだと。
あなたの任務は花を用意することです。花さえ用意できれば、パーティー会場の裏で昼寝をしていてもいいのです。だからこそ花は絶対に用意しなければならない。花屋に注文をすることは任務の一部でしかありません。言い訳をする人はそこを勘違いしています。
中島聡『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』(文響社) 「第2章 時間を制する者は、世界を制す」より
任務の本質を理解するべき。計画が崩れたら、任務を遂行するためにほかの手段を即座に講じること。いかなる理由があろうと言い訳はできない。
この勘違いは、恥ずかしながら私はよくやってしまっていました。若い頃なんて、まさに「すみません、一応やったんですがダメでした」なんて言い訳していた気がします。あぁ、恥ずかしい……。
相手からの依頼の本質を見抜き、そこを絶対に守って相手の期待に応えてこそ、プロの仕事。つい自分を甘やかして、下手な言い訳をしているようではプロとして失格ですよね。
おわりに
ちょっと強引に2つのエピソードを結びつけてしまったかも……。でも、とにかく目先のことに惑わされずに、つねに冷静に物事の本質や最優先事項をしっかり見極め、本来の目的を忘れずに行動したいとあらためて思いました。
そうやって生きていたら、仕事も人生もうまく回っていきそうな気がします。つまらないことに拘泥したり悩んだりして人生の大切な時間を無駄にせずにすむのかも。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日もよい一日をお過ごしくださいね!
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