60代女性が一念発起して、多拠点生活できる住まいのサブスク「ADDress」を始めてみた

住まいのサブスク「ADDress」を始めてみた

今回は引っ込み思案の私が一大決心をして、新たにADDressライフを始めた件についてお話しします。ホテルサブスクに興味を抱いているシニアの方々のご参考になればと思います。

目次

始めるまでのいきさつと心境

球体に映った緑豊かな森の景色

母の介護を終え、翻訳の仕事も辞めて、晴れて自由の身になった私。さて、これからどうしようか?

いままでは母の介護や仕事でとにかく忙しく、時間に追われる生活でした。あれこれ夢見ることはあっても行動に移すことはできなかったのです。

先のことはわかりません。元気に長生きしたいと願っていても、亡き母のように健康寿命の限界に達していつ体が不自由になるともしれないのです。「いつか~できたら」なんて夢見ている余裕などもはやありません(笑)。

いままでとは違う生き方をしてみたい。長らく狭い世界に閉じこもって内向きに生きてきたので、もっと広い世界、異なる世界にも足を踏みいれてみたい。

これまで絶対に失敗できないとつねに肩に力が入っていた生活から抜けだして、もっと気楽に自由にのびのびと、楽しく生きたい。

知らない土地に出かけて、価値観の異なる多種多様な人たちとふれあい、新たな生き方を学んでみたい。ひとづきあいが苦手で、他人との距離感をつかめないけれど、いろんな人たちと出会うことでもっと楽に人とつながれるようになるかもしれない。

そのような思いがふつふつと湧いてきました。さらにいえば、もっと心地よく暮らせる移住先が見つかればいいなとも思いました。

始めるにあたって設定した目標

緑豊かな庭に設置された木製のブランコ

そこで以前からちょくちょく調べていたホテルサブスクを本格的に検討することに。

母の介護中はとにかく精神的にも肉体的にも疲弊していたので、どこかにひとりで逃避したいという願望がありました。そんなわけでADDressというサービスのことは知っていたけれど、「家守」がいて交流が楽しめるというシステムには興味を抱けず、逆に自分にはとうてい無理だと感じていました。

ところが不思議なもので、母を見送り、仕事も辞めて、いざ社会とのつながりが消滅してしまうと、突然、他者とつながりたいという欲求が湧きあがってきたのです。

まずADDressについてご紹介します。

はじめよう。いつもの場所がいくつもある、という生き方。
これからは、マイホームだけではなく、さまざまな地域にある家を、シェアして暮らす時代。
価値観や気分に合わせて、選ぶお気に入りの場所は出会う人も、流れる時間もそれぞれ違う。

でもそのすべてが、自分らしくいられるいつもの場所。旅行とも移住とも違う、全く新しいライフスタイルをADDressではじめよう。

初月9,800円から多拠点生活できる住まいのサブスク。
日本各地に広がる深刻な空き家問題と、近年注目されはじめているリモートワークなどの新しい働き方。ADDressは、多拠点居住という新しいライフスタイルを提案する事で、全国の空き家問題を解決しながら豊かな社会を実現したい。そんな想いから生まれました。

ADDress公式サイトより https://address.love/about?from=footer

詳しくは公式サイトhttps://address.love/をご覧ください。

いかがでしょう? いままで宿泊はホテル一択、ゲストハウスやシェアハウスを利用したことはほぼ皆無、むろん寮生活などしたこともないという、私のような60代独身女性にとってはかなりハードルが高いように感じます。

しかもこの年齢になるまでほぼずっと大阪で実家暮らし、短い結婚生活で近隣県に住んだのも5年足らずのこと、引っ越しの経験すらあまりない、まれに見る(?)転居や移動の少ない人生を送ってきたのです。

一念発起してADDressライフを始める決断をしたわけですが、メンタルが弱いのでちょっとしたことであっさり心が折れてしまわないように、自分なりに目標を設定してみました。迷うことがあっても本来の目標や目的を思いだせば継続できるだろうと思ったのです。

ADDressライフでの目標

  • 知らない土地へ行ってみる
  • 移住先を探す
  • 旅に慣れる、身軽に旅する
  • 世代の違う、多種多様な人たちと交流し、異なる価値観に触れる
  • 他人とほどよい距離感を保てるようになる
  • 周囲に他人がいる環境に慣れる、マイペースで過ごす
  • ちょっとした“不便さ”に慣れる
  • 意見の異なる、理解できない人がいても、そのまま受け入れ、感情的にならずに距離をもって接する
  • 失敗してもOK、どんどんチャレンジしてみる

始める前の不安、始めてからの感想

日の出を迎えた湖

私はHSP気味ということもあり、まわりからの刺激を過度に受けやすく、人づきあいも苦手なので、あれこれ不安がありました。

なかでも一番不安をおぼえたのは、ひとつ屋根の下で見知らぬ人たちといっしょに寝泊まりするという状況です。見知らぬ人が怖い。どんな会話をしたらよいのか? イヤな感じの人がいたらどうすれば?

なにしろ、気が弱くて(芯は強いかもしれないのですが、対人関係ではたいてい弱い立場のほうになりがちでして。おとなしそうに見えるので、ある種のやや意地悪な人間にとっては格好の餌食だったのかも)自分の意見を言えない、他人に流されやすい、NOと言えない人間なので、これまで職場などでけっこう嫌なことを言われてもその場で言い返せず、黙って耐えてきたのです。

2024年3月末に会員登録をして、4月から利用を開始してみると、それは杞憂だったとあっさり悟りました。

家守さんやたまたま同宿になった会員の方々のほうが、断然こうした共同生活に慣れています。人づきあいに長けた人ばかりです。他人との距離感を心得てらっしゃる。こちらが心配するまでもなく、相手側でうまく交流してくださったのです。こちらは流れに合わせておけばよいだけ。話題についても同じ会員ということでADDressを始めた経緯などが話のよいきっかけになるのですね。

初めてそろそろ一年弱、計6カ所の拠点を訪れましたが、イヤな気分になることは一度もなく、よい思い出ばかりが積み重なっています。ポイントはやはり適度な距離感で、お互いに一期一会を楽しむことでしょうか。

さいごに

水平線に太陽の昇った海の景色

まだ目的や目標をすべて達成できたわけではありませんが、たくさんの学びや出会いがありました。家守さんや他の会員さんたちからのさりげない親切や手助けには感謝しかありません。

ADDressで各地の拠点に行き地元で交流すると、おおいに元気をもらえる気がします。生きていく気力が湧いてくるというのでしょうか。やはり新たな刺激や人との交流が大切なのかもしれません。

またADDressでの体験をきっかけに「シェアリングエコノミー(共有型経済)」についても興味を抱き、所有することではなくシェアするという生活に未来への希望を見いだしています。

若い世代の会員が多いなか、70代で車中泊とADDress泊を続けながら終の棲家となる地を探している女性がいることも知りました。まさに人生の先輩、同好の士を見つけて、ひそかに喜んだものです。

人生の旅はそろそろ終盤に差しかかっていますが、この新しい「旅」はまだ始まったばかり。体力と思考力とお金が続く限り、細く長く続けていきたいと願っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
少しでもご参考になれば幸いです。

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