ど素人の60代女性 母から相続した土地の売却に挑戦

ど素人の60代女性 母から相続した土地の売却に挑戦

長年、我が家で畑として所有してきた土地をいよいよ売却することになりました。母が亡くなり、生産緑地を解除したあとのことです。

私自身、大家業にかかわってきたとはいえ、不動産の売買についてはまったくのド素人。

不安だらけの出発でしたが、昨年なんとか無事に売却に成功しました。

そのプロセスでの学びについてお伝えしたいと思います。依頼先を決定するにあたって、私と同じように不安を抱えている方にとって少しでもお役に立てば幸いです。

*ここに記した内容はあくまで私個人の経験や感想に基づくものです。そのようにご理解のうえでお読みいただくようお願いします

目次

準備段階での情報収集から複数社への査定依頼へ

不安いっぱいのスタート

空に向かってそびえるビル群

当初は、まさに不安だらけ。なにしろ心配性で警戒心が強く、懐疑的な私のことですから、頭のなかではさまざまな疑問や疑念が渦巻いていました。

  • 初めての売却なので不動産会社に言いくるめられ、納得のいかない売却になるのではないか? 
  • 相場がわからない、適正価格がわからない
  • どうすれば有利な条件で売却できるのか?
  • 信頼できる不動産会社を自分で選べるのだろうか?


実は、税理士さんから不動産会社を紹介してくれるという話もあったのですが、なまじ紹介だと断りにくいということもあり、また他人を容易に信用できず、なんでも自分で納得のいくようにやってみたいという厄介な性格ゆえに、まずは自力で探してみることにしました。

さらに言えば、他人任せにして損をさせられたらたまらん、という生来のケチな性格が災いして、あえて邪魔くさい道を選ぶという、これまた厄介な性格ゆえの決断だったのです。

実をいえば、以前から不動産会社への漠然とした不信感がありました。正直、「怖い」と思っていました。

不動産賃貸業ゆえにいわゆる町の不動産屋さんとの付き合いはありましたが、売却は初めて。世間一般によく言われているように不動産屋にカモられるのではないかという不安が大きかったのです。よくない噂ならたっぷり耳にしていましたから……。

実際、これまで近所の不動産屋さんにはお世話になっている半面、一部の業者さんや担当者さんの強引なやり方やきつい物言いには嫌な気分になることも何度かあったわけです。

そんなわけで正直なところ戦々恐々、嫌な思い、情けない思いをさせられるのではないかと怯えていました。

家族の大切な思い出のある土地、また、地域の人たちにも利用してもらい、長年維持してきた土地なので、売却後に「まんまとやられた!」ということが発覚して悔しい思いをするのはどうしても避けたかったのです。

いま思い返せば、ちょっと大げさに怯えすぎだったとは思いますが……。

不安を解消するためにまずは情報収集

悩んでばかりいてもどうにもなりませんし、相続後3年10カ月以内の売却なら「取得費加算の特例」を受けられるということもあり、とにかく行動することにしました。

まず不安を解消するために実践したことは、

情報収集するうちに、売却計画の準備において大事だとわかったことは、

  • 売却の目的や理由を明確にする(早く売りたいのか、高く売りたいのかなど、それに応じて希望の「金額」「期限」が変わる)
  • 相場価格を知っておく
  • 仲介手数料や税金など売却にかかる費用を知る(手元に残る金額を知ったうえで売り出し価格を決めるため)

上記をふまえて、査定依頼に先立ち、事前に決めておいたことは、

  • 希望売却価格(相場を知ったうえで仲介手数料や税金などを差し引いてから決定)
  • 売却のおおよその期限(いつまでなら条件を落とさずに待てるか)
  • どこまで妥協するか(希望どおりにいかない場合どこで譲歩するか)

不動産会社への査定依頼へ

高層ビル群の窓に映った青空

そこまで準備してから、お決まりの査定依頼へと進みました。

これまで自宅に送られてきていた大手不動産会社からのDMなどを参考にして査定依頼書を送付することに。念のためにこちらの想いや希望などをメモして添付しました。

ここで大事なことは、「一社のみに査定を依頼してはいけない」「いろいろな業者に依頼することで大体の相場がつかめる」ということ。ちょっと面倒ではありますが、この点だけは必ず守るべきでしょう。


やがて続々とメールで返信が届きはじめます。そこからいよいよ査定開始。いずれも査定完了までには1~2週間ほど時間を要しました。


ところが、なかにはさっそく「買い取り」を申し出る不動産会社もありました。


すでに「買い取り価格は仲介による売却よりも安い」「しょっぱなから買い取りを申し出る会社には要注意」ということを調査済みだったのですが、念のために買い取り価格も教えてもらうことにしました。

驚きの査定価格 これほど各社で違うとは!?

3~4社からの査定結果が出たあたりで、その査定額の差に驚くことになりました。

査定依頼は計8社ほどにお願いしたのですが、ちょっとしたすれ違いで1社からは返答がなく、実質査定結果を得られたのは7社。

会社によってかなり差が大きく、全結果を比べてみると、最低価格(買い取り価格も含めて)は最高価格の半額ほどにしかなりません。

査定の根拠についても文言はまちまちで、はなからこちらの土地を高く評価せず、「居住用としては広すぎるため減額」「広めの土地は坪単価が低くなる」としている会社もありました。

この時点で問題となるのは、どの査定額を信用するべきか


正直なところ、各社による査定額にここまで大きな違いが出るとは想定していませんでした。ある程度似たり寄ったりなのだろうと。

査定価格とは、本当のところいったい何なのだろう? どんな意味を持つのか? あらためて疑問に感じました。

そこで再度ネットからの情報を頼りに整理してみると、

  • 「不動産査定システム」で算出された査定金額を加工している。客へ提示する金額を考えておき、そこに査定システムの金額を合わせていく
  • 結局、営業スタッフの経験と勘に頼るしかないのが実情か?

というややネガティブな見解もありました。

ですから数字そのものばかりに注目せず、やはり査定の根拠に説得力があるかどうかをしっかり見極める必要があるようです。

  • 査定金額に納得できるかどうかが大事
  • 査定の正確性、その会社や担当者の営業力、販売力、信頼性、知識、経験はどうか
  • 成約事例や競合不動産との比較が大事なので、資料を提示してもらう
  • 市場を見すえた正確な査定額をはじき出してもらい、その額に基づいて売り出し価格を決定し、好条件での売却を目指すこと

ただし、書籍やネットからの情報は、残念ながら今回のうちの物件には合致しないかもしれないと感じました。

こうした情報の大半は一般的なマンションや家の売却を想定しているようでした。うちの場合は畑ということもあり、やや広めの土地だったのです。

3社との面談から1社に絞り契約へ

青空を背景にしたオフィスビルの写真

査定内容を精査し、各社のHP、ネット上での評判なども参考にしたうえで、査定価格の高かった3社に絞って、面談を依頼することにしました。

3社ともメールでのやりとり、査定内容やその根拠から信頼できそうだと判断しました。もちろん、私たちの土地をポジティブに評価してくれて査定価格が高かったというのが大きなポイントではあります。

面談に先立ち、ネット情報を参考にして、事前に質問などをまとめておきました。

  • まず査定結果について詳しく説明してもらい、査定の根拠をしっかりと聞く
  • どういう戦略で売り出すのか? (どういう買主に、どれくらいの価格で、いつごろ売れそうか?)
  • なるべく高く売るための提案をしてくれるのか?
  • 同等の土地の売却実績はどれくらいあるのか? (各社それぞれどんな土地の売却に強いのか?)

実際に営業担当者に会ってみて、よい意味で予想を裏切られました。

不動産売買の場合、賃貸のちょっとチャラいお兄さん(ごめんなさい!)が担当するのとはまったく違うのですね。

みなさん丁寧で礼儀正しく、とことんきっちりと説明して疑問にも答えてくれました。私の経験不足のせいで勝手な営業マン像を思い描いていただけだったのです。

面談をお願いした3社とも、説明内容、査定理由にも納得がいったので、1社に決めるのにかなり迷いました。ただ自分の直感としては、ある担当者の話しぶりや受け答えが一番ぴんときてはいたのですが……。

これだけ迷うなら3社のうちどこにお願いしてもおそらく後悔しないだろうと思いましたが、とにかくどこか1社に絞らねばならないわけです。

なにしろ決め手に欠けるので、査定価格が一番高い会社に再度面談をお願いすることに。さらに踏み込んだ詳しい説明をしてもらい、結果としてそこに依頼することになりました。私が一番ぴんときていた会社です。

ここで、依頼先の決定において、あとから感じたことをひとつだけ追記しておきます。

一番大事なことではないけれど、営業担当者との相性もけっこう大切ではないかと思います。担当者とは何カ月にもわたるお付きあいになるので、そもそもあまりに会話が嚙みあわない、話が通じにくい、相性がよくないと感じる相手なら、売却の成功とは関係がないとしてもそのプロセスが自分にとってストレスになる場合もあります。

ですから、程度問題だとは思いますが、こうした人間同士のコミュニケーションという面からも依頼する会社や担当者を検討することは必要かもしれません。

まとめ

青空を背景にそびえるガラス張りのビル

さて今回学んだ最大のポイントは、

  • 実際のところ不動産会社にも当然ながら各社それぞれに得意分野、不得意分野がある
  • 売却する不動産(土地なら広さや立地など)にもっとも適した会社を選ぶことが大事

売却目的にもよりますが、できるだけ高く有利な条件での売却を目指すなら、そこが肝要だと思います。

とはいえ、私が調べた限りでは、どこの会社がどの分野に強いかを素人が判断するのはほとんど無理でした。複数社に査定をお願いしてみて初めてわかったのです。

土地の買主というとつい住宅建設メーカーばかりを想定していましたが、うちのケースでは法人が自社で活用するための土地(事務所の建設など)として売却するほうが有利な価格となりました。

つまり法人への売却が最適解だったのですが、住宅用としての土地の売却や買い取りのみしか扱っていない会社ではどうしても査定額が安くなってしまうのでないかと。

査定額が低い場合は、高く売却するための最適用途での売却手段を、その会社が有していないということなのでしょう。

今回は査定価格が高く、かつメールや面談でのやりとりが丁寧で熱意も感じられる3社にまず絞ったわけですが、査定価格が高い、つまり得意分野である、だからこそ利益を見込めるので、ぜひとも契約をとりたい、という気持ちが担当者に働き、その熱意、やる気がこちらにも伝わったのかもしれません。

査定額が高く、対応がよかったのは、シビアに考えるとその会社にとって儲けになる案件だったからというだけなのかも……。

売却物件が変われば、今回の好印象の3社もまったく違う反応だったのかもしれません。ただ、そのうちの2社に断りのメールを入れた際にはやはりきちん即座に返信があったので、基本的に対応はよかったといえます。

逆に査定価格が低い、つまり儲けにならない仕事で契約に至らなくてもいい、だから他の会社はあまり熱意もない、という構図になったのでしょう。

ただ、低い査定価格を出しておきながら、こちらからお断りのメールを入れるとけっこういやらしい捨て台詞を吐いた担当者もいたので、多少は嫌な思いをすることも念頭においておいたほうがいいかもしれません。

もうひとつ学んだことは、あくまで私の感想ではありますが、

何事もやはり自分で納得いくようにすることが大事。
自分で調べて、考えて、会って話を聞いてみて判断するというプロセスは手間も時間もかかるけれど、結果としてうまくいった場合の満足度はかなり高く、達成感がある。

他人任せにするのは楽だけれど、うまくいかなかった場合つい失敗を他人のせいにしてしまいがちです。

自分でやってみると知識や経験が身につき、新たな発見もありました。そして自信にもつながりました。

なによりも亡くなった自分の家族、これまでお世話になった畑周辺の住人の方々、今回お世話になった不動産会社や買主の企業に、そして幸運に恵まれたことに心から感謝の念がわいてきました。ありがたいことだとひしひしと感じられたのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回の私個人の経験談がどなたかの役に立てばうれしいです。

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