仲介してもらうと、当然ながら仲介手数料が発生する!?
世の常として、仲介者がいれば、仲介手数料が発生しますから、仕事はできれば直接受注したいものです。下請けよりも有利な条件で契約できるケースが多いでしょう。
うちの借家の場合、大昔、祖父が管理していた頃は、入居者と直接契約書を交わしていました。おそらく親戚の紹介などで入居してくれるケースが多かったのでしょう。まだおおらかな時代ですから、家賃保証会社など介さず(存在せず?)、家賃の滞納があれば、みずから催促に行っていたそうです。
現在では、ほとんどの場合、大家が不動産業者を通して入居者と契約するのだと思います。お互いに楽だし、安心感もありますが、その一方で入居者は家賃保証会社と契約し、保証料を払わねばなりませんし、大家は不動産業者に仲介手数料(広告料)を支払う必要があります。
私が管理人として関わってから、実際に家賃滞納が発生して家賃保証会社のサービスを利用したのは、この10年でたぶん1回くらいでしょう。ですから、大抵の入居者はきちんと家賃を払ってくれるのに、万が一のためとはいえ、余計な出費を強いることになって申し訳ないと感じることもあります。
出版社から直接受注? 編集プロダクションから間接的に受注?
さて前置きが長くなってしまいました。これから出版翻訳や映像翻訳を目指そうと考えている方々に、老婆心ながらお伝えしたいのは、翻訳の世界にも上記と同じような構図があるということです。出版社や制作会社から直接仕事の依頼を受ける場合と、編集プロダクションや翻訳会社を通して間接的に仕事を受注する場合です。
私が編集プロダクションの存在を知ったのは、語学会社をリストラされ、翻訳専業にならざるを得なくなり、受注を増やす必要に迫られたときです。ロマンス小説の翻訳者募集広告を見つけ、応募したのです。当時はそこが出版社ではなく、編集プロダクションだということはあまり意識していませんでした。
実際にお仕事を頂くようになり、出版社から受注した場合に比べてかなり報酬が低いことにあぜんとしました。もちろん新人だからという理由もありましたが。
さらに、編集プロダクションや翻訳会社から受注すると、報酬以外の条件もかなり厳しいと初めて知りました。たとえば振込手数料が翻訳者側の負担だったり、支払いが翌々月だったり、締め切りが厳しかったり。あれから10年以上経っていますから、もちろん現在は待遇が改善されているかもしれませんが、とにかく当時の私にとっては、同じ出版翻訳の仕事でもこれほど条件が異なるのかとショックを受けた覚えがあります。
どんな会社からどんな翻訳の仕事を受注したい?
編集プロダクションや翻訳会社は小規模な会社が多いでしょうから、致し方ない面もあるのでしょう。それに新人がまずチャンスをつかみ、実績を積むためには、条件の悪さについて多少は目をつぶるのも必要かもしれません。ですが、できればご自分が最終的にどんな会社からどんな翻訳の仕事を受注したいか、長期的な計画を立てておくのが得策だと思います。条件的に厳しい場合でもそれを足がかりにステップアップが望めるのであれば、あえてその仕事を受けるのもアリでしょう。
私のケースで言うと、数年前に字幕翻訳に再チャレンジしてみようと思い立ったとき、迷わず大手制作会社のスクールを選びました。やはりお仕事を受けるなら、制作会社から直接受けたいと考えたからです。その選択は間違っていなかったと確信しています。なにより、先生方の映像翻訳への熱い思い、愛情がひしひしと伝わってきて、どなたも楽しそうに仕事をなさっているのが印象的だったんです。
私自身はけっこう行き当たりばったりに仕事をしてきたので、その反省もこめて、これからお仕事をされる方々に知っておいていただけたらと思いました。
出版翻訳の実際については、続きの〈下〉でもう少しお話させてください。
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